COVID-19って何者なんだ?
9月例会レジュメ(9/17/2020)中川滋木
「急性感染症パンデミックから緊急事態」という政治・社会的現象
人獣共通感染症:野生動物(自然宿主)での「変異」からヒトへの感染
鳥から鶏(不顕性感染)、ヒト:鳥インフルエンザ(高病原性H5N1)
人、鳥、豚に共通するウイルス表面タンパク
喜田宏:北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター
香港かぜ(H3N2):鴨、アヒル、豚
アジア風邪ウイルス(H2N2)と同時感染
シベリアで営巣する野鳥(鴨)が中国へ飛来
結核(細菌感染):国民病だったが慢性経過をとった後、死亡原因としては減少
ウイルス感染:自己増殖能を欠くが、感染した細胞がウイルスの全構成物をつくる
天然痘(エジプトのミイラ):DNA
スペイン風邪(スペインで感染拡大):RNA,北米凍土中の女性遺体に証明
インフルエンザA,B,C:RNA
エボラ出血熱:RNA
COVID-19:RNA
免疫とワクチン
種痘:天然痘
BCG:結核菌
麻疹:麻疹ワクチンから風疹との混合ワクチンへ
肝炎ワクチン:感染予防から発がん防止
オブジ―ボ:免疫細胞の増強
正常細胞攻撃
抗体依存性感染増強:エボラウイルス抗体での現象
サイトカインストーム:生体内の液性環境
COVID-19感染重症者にみられる所見:血栓を発見
抗ウイルス薬
インフルエンザ:タミフル
エボラ出血熱:レムデシビル
COVID-19:特化したものはない
アビガン:RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤
富山大学と富山化学(現富士フィルム)
デンカ(新潟県)での原料生産、3年前中止、
中国委託、政府による再生産依頼
副作用了解のうえで投与:緊急事態
レムデシビル:COVID-19感染者1063名(アメリカ、欧州、アジア)を対象に臨床実験(NIH)
回復までの日数:11日対14日(31%短縮)
死亡率:8.0%対11.6%
湖北省の臨床結果(237名):効果なし
COVID-19に対し回復を促し、死亡リスクを減ずる
(ギリアド・サイエンシス)
国内初の特例承認:日本法人からの承認要請
3日後に厚労省は承認
10日間人工肺処置、重症者
アクテムラ:ヒトIL-6モノクロナール抗体
サイトカイン抑制:免疫暴走抑制
コロナスパイクとの結合性解析:「富岳」の優先的、試行的利用
既存薬剤の有効性をAIで検索
死亡者数の不思議
ファクターX:山中伸弥
直系家族社会は権威主義的、保護主義的傾向
エマニュエル・トッド(歴史人口学者)
基礎疾患をもつ人口が比較少数
ケンブリッジ大学の統計処理
皆保険によるメリット?
薬の主作用と副作用、副反応
新薬の開発
実験動物における主作用、副作用の確認
臨床試験:新薬候補とプラセ―ボ
実験データの信憑性
母数が国際標準に達していない
人体での有害事象:ポリオ生ワクチン投与で発病例
強制接種の問題点
副反応:意義としてのエビデンスは充分だが、被接種者(子宮頸がん予防ワクチン) の生活をすすめるうえで、支障をきたす。
ヒトの行動原理
罰則管理
自粛要請と自己決定による判断
基本的人権と共同社会の維持
自然界(地球上)において人間は主体か? 根本的自己決定能力を期待できない
共同体を構成する「個」による自己決定、共同体内での自由意思に対する判断
安定した共生のために要する作法:恣意であってはならない
公共の利益が損なわれる非常時に際しては私権の制限もやむおえない
カール・シュミットの例外状態:戦後の平和的風潮のなかでは法的根拠のみ
細菌、ウイルスとの共生
常在腸内細菌(通常、宿主は殺さない)の効用
神経線維に存在し続けるウイルス
石灰化病巣内の結核菌
COVID-19の再生産はヒトの肺胞細胞上皮(酸素取り込みに特化)
肺塞栓、肺炎
リンパ球減少
天然痘
種痘(天然痘ワクチン):誰でもジェンナーを知っている(1796年)
WHOによる世界天然痘根絶計画実施開始(1958年)
最後の天然痘発症者(1977年)
1973年
根絶計画完遂宣言(1980年)
天然痘予防接種中止(1976年)
根絶計画完遂宣言(1980年)
生物化学兵器として、未だ放棄されていない:2001年の同時多発テロ
大航海時代:新大陸へ西洋人の保菌者が渡航
中南米諸国の結果的民族浄化
CDCとAFIP
戦争対策:人工肺はイラク戦争時の爆風がきっかけ
平和国家に危機感なし
専守防衛:先手必勝の確立が実現しつつあるのではないか?
COVID-19にACDCは機能せず
CCDCも機能せず
COVID-19は「なにものか」に「地球上の忍者」であると認識
緊急事態宣言(実態は自粛要請)=生存第1、感染拡大逓減の見極め
「現実が後追い」深い洞察:だれが、いつ?
再度緊急事態=医療崩壊リスク
日々新たな知見が積みあがる
新たな、未知のウイルスに対しては既存の経験知では対処できない
「知」は「経験」で実証されるしかない
COVID-19に関していえば、日々変わりつつある状況にどう対処?
主作用となる薬剤開発:顕性感染者
ワクチンによる集団免疫:不顕性感染
集団免疫達成社会=パンデミック終結
Evidence-based Natural Immunity
提示による反発:政府、医師への責任追及
スエーデンの高齢者:日経6/26
コロナの突起を合成、このタンパクに対する抗体作成
COVID-19は肺胞上皮細胞のRNAポリメラーゼによって増殖
DNAワクチン:ウイルスRNAをプラスミドでDNAにかえ
大腸菌で増殖
スパイクたんぱく質の変異は従来のコロナウイルスと比較して
大きくない:森下隆一(阪大臨床遺伝子治療学)
COVID-19抗体
抗体成立患者血清の輸血:中和抗体
抗体製造
抗体効果の持続性(武漢)が短いとの報告
Withコロナ
基礎疾患のコントロール
ブラジルが自然な正解?
忍者がいても「意欲」と「気力」
(9月例会で司会予定であった高瀬副代表作成の講演紹介文です。)
中川先生ご講演の際における司会の素案 (6月作成) 司会予定:高瀬 義道
こんばんは、本日は令和2年が始まると軌を一にして、突然降り掛かってきた新型コロナウィルスからの攻撃に対して正体不明の滝に対する防戦で始まりました。 このウィルスによる被害は、全世界的な規模のパンデミックとなり、実に人類の 万人、日本でも 万人の命を奪いました。 当初、このウィルスは中国武漢市を起点に猛威を振るっていましたが、中国政府の発表もWHOの見方も、非常に軽微な疾病と看做した発表で、かなりの期間、世界は対岸の火事と見ていました。 感染拡大がヨーロッパ各国に蔓延し、さらにアメリカに上陸して、猛威を振るい始め、やっと渋々ながらWHOはパンデミック宣言を行いました。既に世界中に燎原の火のごとく蔓延して、消火不能になった後でした。 今日は、新型コロナウィルスとは、いったい何者か、その実態と感染の仕組み、またなぜ世界は手を拱いてウィルスの侵略の軍門に下ってしまったのか、私どもの仲間の木曜会員の中川滋木先生から先生が知見を傾けて研究された成果をお聞きしたいと存じます。
(参考1) 中国武漢の生物研究所疑惑の武漢市には、「中国科学院武漢病毒(ウィルス)研究所」が2カ所(武昌区と江夏区)存在する。その「ウィルス研究所」設立にはフランスが協力した。江夏区の研究所には、2004年SARSを契機に「中仏共同プロジェクト」として、フランスの全面的協力で完成した「P4実験室」がある。2015ね完成したが、1963年にメリュー生物科学研究センターを設立した、アラン・メリュー氏は辞任した。ところが2016年以降、両国の感染症委員会の会合すらなくフランスの研究者は武漢入りできない。
(参考2) ウィルスとは、一般の生物(細菌を含む)、DNA(ATGC)の4塩基の配列で遺伝子を構成します。一方、ウィルスはDNA4塩基を持つものの他、RNA(AGCU)という4塩基のみで、2重螺旋を持つものの他、1つの螺旋で構成されているものがいます。今回の武漢コロナウィルスは、単鎖構造のRNAウィルスで、軽快に変身ができ、このRNAを普通の生物のDNAの2重螺旋の一つに付けて、増殖するようです。